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2020年11月11日掲載
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/11110600/?all=1
北朝鮮の核施設などに対する国際原子力機関(IAEA)の検証準備態勢と協力に関する韓国外交部とIAEAの高官級政策協議会が、11月3日にソウルで行われた。そこで韓国外交部は、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出にIAEAが積極的な役割を果たすよう要請した。
一方、韓国でも原発のトラブルが露呈するなか、政府の「大本営発表」を鵜呑みにする韓国の消費者は、自国産食品を口にする恐怖に気づいていない。
日本政府が福島原発処理水の海洋放出を表明すると、韓国政府は過敏に反応した。日本産水産物輸入を全面的に禁止すると息巻いて、国際社会と連携して反対すると主張したのである。
一方、米国や欧州連合(EU)、太平洋島嶼国などは、海洋環境に与える影響を懸念しながらも日本政府の決定を尊重する立場を取っており、中国とロシアも反対を表明してはいない。
中国は、東海岸の原発から大量の汚染水を排出しており、日本の海洋放出に反対できる立場にない。
すべての日本産水産物が汚染されているなら日本海に面する韓国の東海岸も同様で、西海岸は中国によって汚染されているのだが。
2011年3月以降、損壊した福島第1原発の建物に雨水と地下水が流入。
東京電力は、その地下水などと核燃料の冷却水が混ざった汚染水を多核種除去設備(ALPS)で取り除いて貯蔵してきたが、2022年10月頃に満杯になるとみられており、法令で定められた基準値を下回る処理水を海洋に放出する方針を発表した。
11年4月、韓国政府は日本産食品の輸入制限を発表した。
原発事故から1か月の間に食品から放射線物質が検出された13都県の食品は、通関の際に日本政府が発行した放射性物質検査証明書の提出を義務付け、他の道府県は産地証明書の提出を義務付けた。
当時、日本の食品の放射能に関する検査や証明書の発行は米国の基準に併せて商工会議所が担っていた。
政府機関が検査や証明書を発行する制度はなく、韓国向け日本産食品の輸出は全面的に中断した。
韓国に到着した輸入食品は、1週間から3週間の食品検査を受けた後、通関手続きに入るが、発表から施行まで2週間程度しかなく、検査に着手していない食品の施行日前の通関は物理的に不可能だった。
食品の貿易取引は本船渡し(FOB)、すなわち輸出港での引き渡しが一般的で、日本を出港した食品の代金や輸送費などは輸入者の負担となる。
日本産食品の輸入各社は、すでに日本を出港した食品を例外とするなど、見直しを求めるロビー活動を行い、日本政府も商工会議所の証明書を認めるよう要請したが、韓国食品医薬品安全庁は頑として受け入れなかった。
韓国で加工食品を所管する食品医薬品安全庁のカウンターパートは、医薬品を所管する厚生労働省だが、日本の加工食品は主に農林水産省の所管である。
厚生労働省と農林水産省から在韓日本大使館に出向していた職員とジェトロソウル、食品を扱っていた在韓日系企業が連絡を取り合いながら対策を練り、同年6月、日本政府機関が証明書を発行するスキームが構築された。
私事で恐縮だが、筆者も当時は食品の輸入に携わっており、厚労省職員などと頻繁に連絡を取り合った。
食品輸出は再開したが、日本産食品はすべて放射能に汚染されているというデマに悩まされた。
「フクシマ」と似ているという理由から福岡県産の食品が不買に遭い、食品医薬品安全庁は沖縄産黒糖の輸入に難色を示した。
日本の原発は市町村名が多く、都道府県名を付している原発は福島と島根しかない。福島の場合は原発を建設した当時の県知事が「フクシマ」の名称を広めるため、県名を付したという。
原発事故から時間が経つにつれて、日本産食品の輸入規制を緩和する国が増えるなか、韓国だけ対応は違っていた。
19年7月、日本政府が韓国向け輸出管理を強化すると、韓国政府は過去に放射能が検出された品目の検査を2倍に増やすなど検査を強化し、ソウル市も翌8月から1か月かけて日本産農水産物や日本産の原料が含まれる加工食品の放射能検査を実施した。
食品に含まれる放射性物質は世界主要国のなかで日本が最も厳しく、大手スーパーなどは、日本政府よりはるかに厳しい基準を設けている。
そもそも韓国政府は輸入時に全品検査を実施している。
その検査に不備があるか、あるいは、非正規の輸入品でない限り、厳しい基準をクリアした日本製品から放射性物質が検出される可能性はない。
実際、セシウムやヨウ素などは一切検出されなかった。
日本の食品に放射能検査を義務付ける一方、日本以外から輸入した食品や国産食品の検査が行われることはない。
韓国大手商社が2014年、ソウルでスイーツの国際イベントを主催して、欧州などから食材を輸入したことがあった。
欧州産食材は、一部は直送、一部は日本の港を経由したが、日本を経由した食材だけが放射能検査の対象となった。
日本の港を経由した食材から韓国の基準を超える放射性物質が検出され、輸入は不許可となったが、欧州から直送した食材の検査が行われることはなく、イベントの参加者に供された。
スイーツ材料に含まれる放射性物質の基準は、日本と韓国は1キログラムあたり100ベクレルで、EUは1250ベクレルである。韓国は370ベクレルだったが、福島原発の事故後に、日本を模倣して引き下げた。
福島原発に目くじらを立てる韓国だが自国の原発には問題が少なくない。
19年7月、全羅南道霊光のハンビッ原発4号機の防護壁から157センチの隙間が見つかった。コンクリート壁の厚さは167.6センチで、10センチを残して空洞になっていた。
韓国水力原子力(韓水原)は2016〜19年に国内の原発を調査し、8基の原発から295か所の隙間を発見、10基の原発で777か所の鉄板腐食を発見。
隙間の約94%に当たる278か所と鉄板腐食の約60%に当たる467か所がハンビッ原発から見つかった。韓水原は建設時のコンクリート打設が不十分だったと分析している。
10月には、韓国監査院が月城原子力発電所1号機の早期閉鎖に関する監査を実施した際、産業通商資源部の職員が証拠を隠滅していたことが明らかになった。
月城原子力発電所1号機は、韓国2番目の原子力発電所として、1982年に稼働を開始した。
設計寿命の30年が経過した12年に停止した後、7000億ウォン(約660億円)を投入して老朽化した部品を交換するなど安全性を強化し、15年6月から再開したが、文在寅大統領が脱原発を宣言し、早期閉鎖が決定した。
早期閉鎖は、産業通商資源部が提出した資料をもとに原子力安全委員会が決定したが、同部が文政権の意向に沿い、過小な経済的評価を行っていた可能性が浮上した。
韓国監査院が監査を実施することになったのだが、監査前日の日曜午後11時、職員が事務所に入り込んで、資料など444件のコンピューターファイル名を変更、削除するなど「証拠隠滅」を図った疑惑が浮上した。
国土面積当たりの原発密集度が世界で最も高く、なかでも半径30キロメートル以内に380万人が居住する古里原発は「世界の原発団地のなかで、最も居住者が多い」と環境団体が懸念を表明している。
地下水もまた放射能に汚染されている。19年10月、韓国内で飲料用地下水76か所から基準値を超えるウランが検出され、最大で基準値の157倍にも達していた。
07年には環境部が世界保健機構(WHO)勧告値の109倍のウランが検出された地域に地下水の飲料を禁止する通告を出したが、汚染の可能性が浮上したのは03年で、4年間も放置していた。
もちろん、日本も100%安全だとは言い切れないが、少なくとも正規ルートで基準値を超える食品が消費者に届くことはない。
韓国でも日本の基準を超える日本産食品が流通することはないが、政府の発表を鵜呑みにし、韓国産の安全神話を信奉する韓国人は、安全が確認されていない食品を食べ続けている。
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配信
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https://news.yahoo.co.jp/articles/72bdda35371cde30782368005d2748a9774181c6
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日本政府が東京電力福島第一原子力発電所に貯蔵されている処理水を福島県沖の太平洋に放出する計画を承認した。これを受け、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は放出差し止めに向けた暫定措置も含め、国際海洋法裁判所(ドイツ・ハンブルク)への提訴を検討するよう内部会議で発言したと大統領府が公表。日本は国際基準を遵守して粛々と処理を進める方針で、処理水のことを汚染水と呼んではばからない大統領以下の一部の韓国の人たちは、振りあげた拳の行き場に困る日が来ることになりかねない。
国際海洋法裁判所へ提訴するためには、日本が国際法違反を行っていると証明しなければならない。
これに対し韓国政府は「日本側から十分な情報の提供を受けていない」と表明し、日本に情報提供を呼び掛けると予測される。 韓国メディアでは、処理水のことを汚染水として報道している。それを受けたウェブでの声を一部ご紹介すると、
「36年間朝鮮を支配していた日本を、そもそも国と言えるのか? ? ?」
「日本みたいなやつら(と日本を卑下する言い方をして)の作る物は我が国に入れるな」
「やっぱり後進国、動物(日本人に対する悪口の“猿”を連想させる)の王国らしい。倭寇日本、未開の種族」
「日本の官僚の口に汚染水を流してやりたい」 などと、いつも以上に散々な物言いだ。
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AIによって削除されたコメントも多く見受けられるため、これよりも酷い書き込みを行っている人物も多いようだ。
今回、問題視されているトリチウムとは、「三重水素」と呼ばれる水素の仲間(同位体)で、原発を運転すると発生することで広く知られているが、自然界でも大気中の窒素や酸素と宇宙線が反応することで生成されている。
水分子を構成する水素として存在するものが多く、大気中の水蒸気、雨水、海水だけでなく、水道水などにも含まれていることから、トリチウムとは私たちの体内に常に存在する物質なのだ。 WHO(世界保健機関)が定める飲料水のトリチウム濃度は10,000Bq/Lで、2年後に海洋放出する予定の処理水は、WHO基準値の7分の1程度に薄める予定である。また、日本が定めている基準値でいうと40分の1の濃度となる。
ちなみに、韓国の海洋水産部をはじめ政府部署合同タスクフォースは昨年10月、「福島原発汚染水関連現況」という対策報告書を作成。 「汚染水を浄化する日本の多核種除去設備(ALPS)の性能に問題がない」、トリチウム露出の可能性については「生体で濃縮・蓄積されにくく、水産物摂取などによる有意味な被ばくの可能性は非常に低い」、処理水の韓国海域拡散可能性についても「海洋放出から数年後、国内海域に到達しても海流により移動して拡散・希釈されて有意味な影響はないだろう」と記述している。
この報告書を踏まえると、文大統領が国際海洋法裁判所へ提訴する指示を出したことは、国の方針としてかなり矛盾した行為といえる。
民間調査団体が発表した根拠薄弱な報告書であればうっちゃっておくこともできるかもしれないが、政府のタスクフォースが処理水放出は問題ないと公表しているのだ。この矛盾した行為に、韓国国内で疑問の声が上がっているのも当然だろう。
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日本政府による海洋放出許可に合わせ、経産省は各国の処理水排出状況をまとめて発表している。
その中には韓国も含まれており、主要原発である月城(ウォルソン)原発は2016年に液体約17兆ベクレル、気体約119兆ベクレルの約136兆ベクレルを放出しているとある。
しかし、中央日報をはじめとする一部メディアでは、この内容を引用したうえで「月城原発の場合、液体放射性廃棄物を6700分の1で希釈して放流。放射性物質の平均濃度は1リットル当たり13・2ベクレルだった。福島の場合、汚染水を希釈し1500ベクレルで放流すると公表しているが、放流水濃度は月城原発の100倍以上になる」などと反論報道を行っている。
この報道内容は事実に基づいたものなのだろうか。
参考になるのが、2016年に発表された韓国による原子力発電白書資料だ。それには、韓国はトリチウムを海洋排出だけで年間191兆ベクレル、気体でも196兆ベクレル放出していると記載される(2015年基準)。
日本が海洋放出を予定している処理水の放出量は年間22兆ベクレルであり、ケタが違う。韓国は本気で国際海洋法裁判所に提訴できると思っているのだろうか。
ちなみにこの月城原発は2012年、1号機に濾過排気装置を設置するための基礎工事の過程で、使用済み核燃料プール下部の遮水幕に穴が開く事故が起こしており、この損傷部は9年が経過した今でもまだ復旧していない。
しかも2018年までの6年間、穴が開いたことにすら気づかず原発を稼働させていた。
この1号機の貯蔵庫下の地下水から、1リットル当たり最大3万9700ベクレルのトリチウムが検出されており、2号機(2万6000ベクレル)の1・5倍、3号機(8610ベクレル)の4・6倍も高い放射能物質が漏れ出していると2020年末に現地メディアによって報道されている。
ところでこの月城原発は、割と釜山に近い慶州(キョンジュ)市にある。
今年1月、釜山の海水と土壌から微量放射性物質が検出されたと調査報告が上がった。しかし、この微量放射性物質は国が定めた基準値内のため問題ないと結論づけられている。
月城原発1号機から処理前の汚染された放射線物質が漏れ出していても、基準値内で収まっているということで不問に付しているのだ。もっと厳格なルールに基づいて放出される福島の処理水に異議申し立てされるいわれはまるでないだろう。
韓国では今も虫くだしの薬を定期的に服用する習慣がある。駆虫薬とも呼ばれ、寄生虫を殺すか排出するためのものだ。
人糞を肥料にした農作物や生肉を食する風習から寄生虫の感染率が増加した過去があるため、この薬を服用するようになったと言われているが、水道水も例外ではない。
韓国では、水道水をそのまま飲料水として口にすることはほぼなく、浄水器を通すかミネラルウォーターを飲むことが一般的である。
水道局や韓国政府は、水道水を飲んでも問題ないと公言しているが、韓国国民はこれを信用していない。
実際に、昨年夏には家庭の蛇口から赤い幼虫が出てきたと相次いで報告が上がっている。
筆者の家では幼虫は出てこなかったが、知人の住むマンションで発生したと聞いたくらいだからすぐそばにある“事件”であり、日本では考えられないレベルの話だ。
2019年には飲料用として使われている地下水76カ所から、最大で1リットル当たり4700マイクログラム(基準値の157倍)を超える高濃度ウランが検出された。
また、同じく19年には「電子機器やバッテリーに由来するリチウムが、都市部の河川上流域に最大600%に達する濃度で流入、水道水を汚染している」という論文も発表されている。
2017年6月19日、文在寅大統領は釜山郊外にある古里(コリ)原発運転終了に際した演説で、「2016年3月現在、(福島第一原発事故で)1368人が死亡し、被害復旧に総額220兆ウォン(約22兆円)という天文学的な予算がかかるそうだ。事故後、放射能の影響による死亡者やがん患者の発生数は把握すら不可能な状況だ」と語った。
金額はともかく死亡者は1人もいないわけだから、明らかなフェイクである。同月28日に韓国大統領府関係者は「誤りがあった」と発表したとはいえ、遅きに失した感がある。
冒頭にも述べた通り、韓国が今回の件について提訴するためには日本が国際法違反を行っていると証明しなければならない。
しかしここまで見てきたように、韓国の汚染状況は日本の比ではない。提訴すれば逆に恥を晒すことになりかねない。 羽田真代(はだ・まよ) 同志社大学卒業後、日本企業にて4年間勤務。2014年に単身韓国・ソウルに渡り、日本と韓国の情勢について研究。韓国企業で勤務する傍ら、執筆活動を行っている。
2021年4月19日 掲載
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http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2021/04/10/2021041080006.html
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米連邦議会上院外交委員会は8日(現地時間)、中国けん制を目的とする総合対策を定めた超党派による法案「戦略的競争法2021」案を公表した。同盟国やパートナー国と協力し、軍事と経済の両面において中国を締め付けると同時に、最先端の科学技術を米国が先に確保し、長期にわたる競争で勝つことを目指すという構想だ。バイデン大統領の対中政策を支えるために米民主党が中心となってとりまとめられた法案だが、共和党もこれに完全に合意したことから、この法案は米国による今後の対中政策の土台になりそうだ。
この法案は韓国について日本、オーストラリア、フィリピン、タイなどと同じく「インド・太平洋地域における重要な同盟国」と表現している。しかし日本とオーストラリアは数々の実質的協力事業のパートナーとしてこれとは別に何度も言及されているが、韓国は「韓米相互防衛条約上の防衛対象」ということ以外はほぼ取り上げられていない。
この法案から米国議会が「中国の強圧に対抗するため同盟国とパートナー国の軍事力強化を重視する」という考えを持つこともわかった。米国と同盟国、パートナー国が中国における軍事技術の発展を阻止するため、これまで以上に緻密な輸出統制の仕組みを築く必要性、さらには中国の弾道ミサイルや極超音速兵器の開発に対する監視や報告の必要性についても明確にした。
とりわけこの法案は「インド・太平洋における安全保障を強化するため」として日本の軍事力増強を強調している。日本の長距離精密火力、防空力とミサイル防衛力、海洋安全保障、情報と監視・偵察能力の向上を米国として支援すべきことを定めているのだ。日本が中国をこれまで以上にしっかりと監視し、必要な場合は長距離ミサイルで攻撃もできるよう支援すべきということだ。また安全保障上の新技術獲得を目指す両国の民間分野における協力を後押しするため「米日国家安保革新基金」を立ち上げるという内容もこの法案に明記されている。
米国、日本、オーストラリア、インドの4カ国連合体「クアッド」参加国の間には「より多くの軍事的な対話、合同訓練が行われなければならない」という条項もある。米国にとって条約上の同盟国であると同時に、クアッドの一員でもある日本とオーストラリアの役割は自然な形で強調されている。「米国、日本、オーストラリアの間で締結された三カ国軍事情報保護協定を通じ、日本やオーストラリアとの軍事協力をより一層深めねばならない」という条項もある。これに対してクアッドに参加していない韓国はこの法案全体で占める割合が非常に小さい。法案全体で日本は31回、オーストラリアは15回登場するが、韓国は8回にとどまった。
法案は軍事力強化と同時に科学技術の革新とインフラへの投資も重視している。半導体や第5世代(5G)移動通信、人工知能、生命工学、光ケーブルなどの核心技術分野における中国の脅威について認識を同じくする国々が結集するということだ。しかし科学技術の連帯を目指す米国の動きの中に韓国はほとんど見えてこなかった。
この法案は、先端技術を利用して市民を監視、抑圧する中国の「デジタル独裁」に対抗するには、「経済面・外交面であらゆる手段を動員する必要がある」として「デジタル技術貿易同盟」の構築を提案している。その一方で「デジタル貿易の合意」に向けた二国間・多国間交渉の必要性にも言及しているが、その交渉相手としては欧州連合(EU)、日本、台湾、そして米国・英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドからなる情報共同体「ファイブ・アイズ」しか明記されていなかった。「適切な他国が含まれる」との記載はあるものの、ここに韓国の名前は登場しなかった。
これについて米議会上院のボブ・メネンデス外交委員長はこの法案の準備が行われていた今年2月、本紙とのインタビューで「『デジタル貿易』の合意に向けた交渉相手としてなぜ韓国を考慮しないのか」との質問に「5G問題において米国と同じ立場の国々を集めた」と回答した。「韓国が中国ファーウェイの5G機器を引き続き使用していることが問題」という意味だった。
中国によるインフラ投資を通じた影響力拡大政策「一帯一路」に対抗するため、今後統合を目指す同盟国のイニシアチブについて説明する部分にも韓国は登場しなかった。米国、日本、オーストラリアが主要なインフラ開発プロジェクトを世界レベルで認可する「ブルー・ドット・ネットワーク」、欧州連合と日本によるインフラ協力事業などへの言及はあったが、韓国はこれらの事業に参加していない。
北朝鮮問題についてこの法案は「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」と「制裁の維持」を強調した。「北朝鮮に対する国連制裁の実行」に関する条項も法案の中に一つの項目として記載されている。さらに「北朝鮮政府に対して最大の経済的圧力を維持することが米国政府の政策」とした上で、これらの制裁について「北朝鮮政権が非核化に向け完全かつ検証可能で不可逆的な行動を取るまで続けねばならない」とも説明した。今後いかなる政権が北朝鮮と交渉する場合でも、「最終的な目標はCVID」と釘を刺したのだ。
この法案では韓国を含むインド・太平洋地域の同盟国と協力する際の課題として「ミサイル防衛」と「人権」が取り上げらているが、この点も文在寅(ムン・ジェイン)政権にとっては負担になりそうだ。米国は中国を念頭に置いたミサイル防衛体制に韓国が参加することを望んできたが、韓国政府は中国との対立を懸念しこれを避けてきた。また米国は新疆ウイグル自治区における人権侵害や香港民主化運動に対する弾圧などの対抗措置として中国に制裁を加え、日本や欧州連合などもこれに歩調を合わせてきたが、韓国政府は中国の人権問題について言及したことはほぼない。しかしこれらの問題に対する米国の立場は明確なため、今後も引き続きあいまいな態度をとり続けることは徐々に難しくなりそうだ。
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つい先日ある外交筋に会った。この人物は「米国のバイデン大統領は日本の菅首相とは来月対面で首脳会談を行うが、文在寅(ムン・ジェイン)大統領とは当分会わないだろう」と述べた。「完全に行き詰まり状態にある韓日関係を放置し、北朝鮮や中国に対する政策でも歩調を合わせないので、今会う理由はない」ということだ。米国のこのような雰囲気は韓国側にも伝わっているという。
先日の韓米による外相・国防相会議でも韓米首脳会談は一切話題にならなかった。米国側の雰囲気は「もしかすると」から会議後には「やっぱり」に変わったという。文在寅政権の関心は「ただひたすら北朝鮮」で、同盟国よりも中国の顔色を必死でうかがっていた。同盟国として韓国には何も期待できないという失望が非常に大きかったというのだ。直前の日本訪問では現地の雰囲気は大きく違っていた。米国と日本は中国あるいは北朝鮮の核問題といったあらゆる懸案で歩調を合わせた。日本が米国にとって「1級同盟国」としての立場を固める一方で、韓国は「2級」どころか「3級」にまで落ちてしまったとの評価も出ている。
米国は中国をけん制するため韓米日による安保協力を常に要求してきた。米国、日本、インド、オーストラリアによる安保協議体「クアッド」にも韓国が加わることを望んでいた。中味のない「首脳会談イベント方式」の北朝鮮との交渉にも反対した。それでも韓国政府は「クアッドを巡る話し合いは行われなかった」として参加を事実上断った。米国が強調する「非核化」「中国」「人権」も共同声明から抜け落ちた。韓国はトランプ前政権で行われ流れてしまった「シンガポール会談」の継承ばかりを訴えている。韓日関係については「改善したい」と言いつつも、実際は何の対策も語られなかった。米国は表向きは「韓米同盟は強固」と口にするが、その裏では「中味がない形だけのもの」と感じているはずだ。
バイデン政権は「自由・民主・人権」を前面に出す「価値観同盟」を新たに構想している。しかし韓国は北朝鮮と中国を意識しこれとは距離を置いている。その距離が広がれば広がるほど、韓国は米国にとって「あってもなくてもよい国」になるだろう。韓米同盟が三流になれば、韓国における安全保障も三流になる。米国の支持がないのに北朝鮮が韓国との対話に応じるだろうか。それどころか核やミサイルで脅迫し、日常的に挑発行為を続けるだろう。中国が韓国を力で押さえ込もうとするのは分かり切っている。北朝鮮には経済支援の考えまで表明した。日本も堂々と韓国を無視するだろう。
米国務省は人権報告書の中で、「韓国政府による脱北者団体への抑圧」や「対北ビラ禁止法」を批判した。国連も文在寅政権の人権問題について18回指摘した。韓国政府は国連の北朝鮮人権決議案の共同提案国に3年連続で参加しなかった。これについては「かつて人権弁護士だった大統領がいる国が人権問題から顔を背けている」として厳しい批判を受けている。国際新聞編集者協会(IPI)は韓国について「ロシアやフィリピンのような言論統制国に追加するかもしれない」と警告した。外国人に対してコロナ検査を義務づけたことについては各国から「人権侵害」と抗議を受けている。故・朴元淳(パク・ウォンスン)前ソウル市長と呉巨敦(オ・ゴドン)前釜山市長によるセクハラ、チョ・グク元長官による不正行為、尹美香(ユン・ミヒャン)議員による不正なども米国の人権報告書に記載された。海外から見て韓国は国としての格が三流に転落する屈辱的な状況になっているのだ。
今、韓国国内では不動産政策の失敗により住宅価格が高騰しているが、その一方で公務員たちは不動産投機に熱を上げている。政権による不正を隠すため検察を無力化し、法治を崩壊させたのだから、これでは独裁国家と全く変わりがない。政権によって憲法機関を掌握され、三権分立が崩壊し、民主主義まで危機的状況に追い込まれている。1人当たり国民所得は3万ドル(約330万円)代前半から2年連続で低下傾向にある。K防疫を自慢したかと思えば、実際はワクチン接種で100位以下の国になった。文在寅政権の4年間で同盟関係は揺らぎ、国の実態は悲惨この上ない。経済規模が世界10位の大韓民国が「三流同盟」「三流国家」へと今も墜落を続けている。
ペ・ソンギュ論説委員
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韓国大手IT企業「ネイバー(NAVER)」を親会社にもつ「LINE」の個人情報保護に不備があったとの問題が浮上した中、利用者間でやり取りされたトーク内の画像と動画が全て韓国内のサーバーに保管されていることがわかった。
これについて同社は「現行プライバシーポリシーではそのような内容がLINE利用者に十分に伝わっていない」とした上で「記述を見直す」と言及。また、データに関しても日本国内に移転すると明かしたことがわかった。
これを前に「朝日新聞」は、日本国内の利用者がLINEトークでやりとりしたデータのうち、全ての画像や動画に関してはLINEを実質的に傘下にもつ韓国IT企業ネイバーのサーバーに保管、この運用は、2012年ごろLINEトークで画像や動画を扱うようになって以来続いていると報じた。
金正恩政権が実施している新型コロナウイルス対策=「国家非常防疫体系」は、言葉では「人民の安全」を謳うが、治安対策に重点が置かれているのは明らかだ。
それを表す文書をアジアプレスは入手した。8月25日に中国国境地域の駅や公共の場所に張り出された社会安全省(警察)名義の布告文がそれだ。協力者が剥がして撮影しメールで送ってきた。
布告文には、「国家非常防疫体系」をさらに厳格に維持するためだとして、「国境地帯1-2キロに緩衝地帯を設け、そこに入る者と家畜は無条件、予告なく射撃する」と書かれてあった。全文を掲載する
北朝鮮政権の新型コロナウイルス対策の基本は、外に対しては封鎖、内に対しては「疑わしくは隔離」という強権的なやり方である。
自国が劣悪な防疫・衛生環境にあることを金正恩氏がよく理解しており、強力な伝染病が流入して、もし首都平壌や人民軍、建設動員組織などで蔓延という事態になれば、自力では手の打ちようがなく、ひいては体制が揺らぐこともあり得るという危機意識が反映したものだろう。
それは「疑わしきは隔離」という荒っぽいやり方に現れている。風邪の症状がある人が出ただけで、家族と近隣住民丸ごと3週間前後も外出禁止にし、24時間見張りを立てて一帯を封鎖する物々しさは、現在も続いている。
国境封鎖や無理な隔離の副作用で、生活に窮する人が急増しており、既存の統制秩序に留まっていては生活がままならないと判断した都市住民の中には、職場離脱、山中で焼き畑を営む、放浪、売春などの「逸脱行為」が現れている。中国国境沿いでは越境、密輸に乗り出す人まで出ている。
北部地域に住む取材協力者は次のように語る。
「当局は中国からコロナが入ってくるので徹底して警戒せよと言っているが、暮しが苦しくなった人民が中国に逃げるのを防ぐのが本当の目的だと思う」 (カン・ジウォン)
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布告
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北部国境封鎖作戦を阻害する行為をしてはならない-
世界的な保健危機状況が急激に悪化し、大流行性伝染病が空気や物を通じても伝播している現状は、北部国境沿線において国家非常防疫体系をより厳格に維持強化することを切実に求めている。
しかし、一部の公民は国家の安全と人民の安寧を守るための非常防疫規律と秩序を守らず、勝手に北部国境沿線に出入りしたり、隣接国にまで不法越境したりして、悪性ウイルス伝染病を流入させる空間を醸成している。
朝鮮民主主義人民共和国社会安全省は、共和国政府の委任によって、北部国境一帯の地域的特性に合わせて緩衝地帯を設定し、この地帯で非常防疫規律と秩序をより厳格にうち立て、災いを引き起こす大流行性伝染病を決定的に防ぐため、次のように布告する。
1. 国境封鎖線から1〜2キロ界線に緩衝地帯を設定する。
- すべての公民は設定された緩衝地帯に不法に出入りする行為を絶対にしないこと。
- 機関、企業所、団体と公民は緩衝地帯の中に組織的な承認なしに人員の出入りと物資を輸送する行為をしないこと。
- 緩衝地帯の中に組織的な承認を受けて入る公民は、公民証を始めとした身分を確認することができる証明文書を無条件に所持すること。
2. 国境遮断物に連なる道路、鉄道線路では夜間に人員と輪転(※車両)機材の通行を禁止する。
夜間通行禁止時間は4月から9月までは20時から翌日5時まで、10月から3月までは18時から翌日7時までとする。
3. 北部国境一帯で設定された規律と秩序を破って緩衝地帯に非組織的に入ったり、道路、線路に連なる国境遮断物に接近した人員と家畜に対しては無条件で射撃する。
以外に鴨緑江、豆満江の我が川岸に侵入した対象と家畜は予告なしに射撃する。
4. すべての機関、企業所、団体と公民は大流行性伝染病の流入を防ぐため、北部国境一帯に設定した行動秩序を厳格に守り、祖国の安全と人民の安寧を死守するようにする。
- すべての機関、企業所、団体は住民、従業員の間で国境封鎖事業と非常防疫事業を阻害する行為が現れないよう教養と統制をより強化する。
- すべての公民は緩衝地帯に不法出入りすることを始めとして、人民軍隊が遂行する北部国境封鎖作戦を阻害する行為を鋭利に察し、適時に申告する。
5. この布告は共和国領域内のすべての機関、企業所、団体(武力、軍需、特殊単位を含む)と公民に適用される。
朝鮮民主主義人民共和国 社会安全省
主体109(2020)年8月25日
コロナショックの発生をきっかけに、世界的に主要製品や部品などのサプライチェーンが大きく変化している。
その背景には、米国が自国を中心とする安定した供給網の確立を目指す産業政策がある。
半導体や医薬品、バッテリー、レアメタルなどの分野で、中国に依存しないサプライチェーンを整備しようとしている。
バイデン政権は、自由で開かれたインド太平洋地域の実現を重視している。
中国の影響力拡大に直面する台湾、日豪印(米国を加えてクアッド)やアジア新興国各国、欧州にとっても、バイデン政権の意図は重要だ。
それは、サプライチェーンの地殻変動、と呼ぶべきダイナミックな世界経済の環境変化といえるかもしれない。
別の見方をすると、米国は基軸国家としての威信や経済成長のために、新しい発想によって対中包囲網を整備しようとしているともいえる。
そうした状況下、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権の対応を見ると、そうした変化に十分に対応しているかといえば、やや心もとない面もある。
文大統領は安全保障を米国に依存する一方で、経済面で中国を重視し関係強化を図る姿勢を示している。
また、これまで一貫して、外交面では北朝鮮を重視してきた。
その姿勢では、本当の意味でサプライチェーンの変化に対応が難しいだろう。
米国のバイデン政権は、これまでの経済運営に部分的な修正を加え始めた。
例えば、米国政府は、半導体産業の育成のために370億ドルの支援を行う。
また、バイデン政権は国防生産法を用いて、企業にワクチン生産を命じ国民への接種を急いでいる。 米国政府は必要に応じて、市場に介入する“修正資本主義”の考えを取り入れ、自国を中心とするサプライチェーンの整備に取り組んでいるようだ。
半導体分野でバイデン政権は、安全保障体制の強化などを理由に台湾積体電路製造(TSMC)との関係を強化し、自国での半導体生産を増やしたい。
TSMCは微細化への取り組みを推し進めている。
テキサスでの寒波の影響もあり韓国のサムスン電子とTSMCのシェア格差は拡大する可能性がある。
過去3年ほどの株価推移を比較すると、TSMCの上昇率はサムスン電子を上回っている。
投資家は、技術に加えて、米中の技術争奪戦への対応力の点からも半導体関連銘柄を選別している。
欧州連合(EU)も半導体の生産力を強化したい。
欧州委員会はサムスン電子にも域内への投資を求めているようだが、本音としては台湾勢との関係強化が重視されている可能性が高い。
受託製造専業のTSMCや聯華電子(UMC)の方が、5G通信機器などで域内企業との競合リスクは少ない。
微細化などの総合力の点でも、TSMCに優位性がある。
また、日米豪印はワクチン生産面でも連携を強化する。
その状況下、文政権は米国や欧州との関係を強化することが容易ではないだろう。
むしろ、国際世論と韓国の距離感は従来よりも広がっているように見える。
フランスは北朝鮮の船舶による“瀬取り”監視のためにフリゲート艦を東シナ海海域に派遣した。
また、オーストラリアも哨戒機による監視を行う。
文大統領の政権下、韓国の国際社会からの孤立感は高まっているといってよいかもしれない。
見方を変えれば、米国を中心に世界経済全体で、新しい国際分業体制に向かって進み始めている。
台湾は半導体、わが国は工作機械、一部の汎用型の半導体、高機能素材、および自動車など、インドは医薬品など、豪州は鉱物資源という具合に、各国の役割は徐々に明確になり始めている。
その状況下、韓国がどういった立場を目指すかが明確ではない。
その要因の一つとして、労働組合の影響は大きい。
良い例が現代自動車だ。
同社は、高度なすり合わせ技術が必要なエンジンの生産技術が十分ではない。
その一方で、電気自動車(EV)の生産はデジタル家電のようなユニット組み立て型に移行する。
現代自動車は、すり合わせ技術面の問題から脱却し、世界的EVメーカーを目指したい。
そのために、同社はEV専用の共通車台を用いる新型EVの“アイオニック5”を開発した。
同社はサムスン電子などと半導体の合弁事業も目指している。
アイオニック5は、現代自動車にとってコスト削減と成長加速を目指す事業戦略の象徴だ。
それにもかかわらず、左派政権下で影響力を強める労組の反発によって、同社が人員を削減することは難しい。
さらに、自動車の電動化とともに、レアアースや水素、再生可能エネルギーなど、新しいエネルギー源を巡るサプライチェーンの再編や技術開発も世界全体で加速する。
米中が新しいエネルギー関連技術を奪い合う展開もあるだろう。
資源を輸入に頼る韓国がそうした変化に対応するために、政府が外交面で対米関係の強化に取り組み、国内では成長期待の高い分野に生産要素(ヒト、モノ、カネ)が再配分されやすい体制を目指すことは重要だ。
ただ、文政権下の韓国では、そうした考えとは逆に、変化に抗うようにして既存の分野での利権を守ろうとする考えが強いようだ。
その発想で韓国が世界的なサプライチェーン再編と米中対立のリスクに対応することは容易ではないだろう。
真壁 昭夫(法政大学大学院教授)
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独立門は中国の圧政から抜け出した記念の門
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三・一節に知人とカカオトークのチャットルームで話をしていて、ソウル市西大門区の独立門は抗日独立の意志のために建てたものだと思っている人が意外に多いということを知った。独立門は、中国の圧政から抜け出すことになったのを記念するため、徐載弼(ソ・ジェピル)先生が主軸となって建てたものだ。多くの人が抗中独立門を抗日と誤解していることは、韓国社会の現代史認識の屈曲地点を示している。
韓国は歴史的に中国と日本から多くの被害に遭ったが、その被害の程度でいえば、中国がもたらした屈辱と苦難の方がずっと大きい。さげすみを受けた歳月は500年を優に超える。習近平がトランプに「韓半島は中国の一部だった」と語って韓国人を怒らせたが、実際のところ、中国人は500年以上もそう考えてきた。朝鮮王朝は武力を事実上放棄し、中国の下へ自ら入り込んでいった国だった。中国の皇帝が承認してようやく王になることができた。毎年ささげるべきありとあらゆる献上品のせいで、民は疲れ果てた。その上、中国の使臣の序列は朝鮮国王よりも高かった。ひとたび使臣が現れれば、朝鮮の山川草木がおののいた。中国の朝廷に賄賂を贈って使臣に任命された者たちは、朝鮮にやって来て元手を数倍に増やした。国が毎回すりつぶされそうな有様だった。
中国の使臣が来たとき、朝鮮国王が出ていって迎接していた場所が「迎恩門」だ。中国皇帝の恩恵を迎える、というわけだ。1894年の日清戦争で中国が敗れると、朝鮮王朝は遂に中国からの独立を宣言した。その後、迎恩門を取り壊し、中国の束縛から抜け出した歴史的瞬間を記念するため1897年にちょうど同じ場所に建てたのが独立門だ。
この独立門をおかしなことに抗日の象徴だと思っている人がこれほど多いのは、反日が政治の手段になっているからだ。中国共産党を尊敬して反日を掲げる民主化運動圏(左派の市民学生運動勢力)が権力を握ったことで、中国が韓国に与えた巨大な被害は埋もれ、忘れられた。遂には、6・25南侵を金日成(キム・イルソン)と共に謀議して数十万の韓国国民を殺傷した毛沢東を最も尊敬しているという大統領まで2人も登場した(盧武鉉〈ノ・ムヒョン〉、文在寅〈ムン・ジェイン〉)。
独立門に対する誤解が喜劇になってしまった事例が、文大統領の2018年の三・一節記念式典だ。文大統領は記念式典を西大門刑務所で開催し、強硬な反日演説を行った。そうして、出席者らと共に近くの独立門へと行進し始めた。大統領一行は独立門の前に立ち、一緒に万歳を三唱した。抗日イベントが反中万歳で終わったのだ。文大統領は、中国へ行って韓国を「小さな国」と卑下し、中国を「高い峰」と仰ぎ見た人物だ。その文大統領が、独立門は中国から独立したことを記念する象徴だという事実を知っていたなら、決してそこで万歳を叫びはしなかっただろう。
独立門が立てられる10年前、朝鮮王朝は自主外交をしようと米国に公使を派遣した。当時、中国の朝鮮「総督」は28歳の袁世凱だった。父親や祖父のような年代の朝鮮の大臣たちを殴り、椅子を投げ付けたりもした彼は、属国が何の外交をするのかとブレーキをかけた。米国の助けで、なんとか朴定陽(パク・チョンヤン)公使がワシントンに到着したが、すぐさま中国の干渉に妨げられた。独自に米国の官僚と会うことはできず、会う際には必ず中国公使の下座に着けと言われた。そんなさげすみから抜け出そうと建てた独立門の前で反日万歳を叫ぶ大統領は、肝心の中国訪問時、朴定陽が受けたさげすみに劣らぬ侮辱を受けた。
韓国のTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備に不満を持った、21世紀の袁世凱のごとき習近平は、韓国に行儀を教えてやろうと文大統領を意図的に無視した。「一人飯」の連続で文大統領に恥をかかせ、韓国の記者は中国の警護員に集団暴行されて失明の危機にひんした。最終日の肝心の夕食会でも、習近平は一言も話さなかった。同席していた韓国の実業家は「きまり悪くて緊張し、きちんと食べることもできなかった」と語った。終盤になってようやく、習近平は口を開いて対話を始めた。全て仕組んでおいた脚本なのだろう。韓国はうまく飼い慣らされた。「THAADの追加配備はしない」「米国のミサイル防衛網に参加しない」「日本と同盟を結ばない」という三不の約束をしてやった。韓国は、中国の前で主自ら権を放棄した国になった。中国の下にまたも入っていったのだ。反中独立門の前で反日万歳を叫ぶこともできる大統領だ。
今、世界で最も重大な課題は、中国共産党の経済的、軍事的台頭をこれ以上傍観するつもりはないという米国の決意と行動だ。1902年の日英同盟以来、実におよそ100年ぶりに見る驚くべき場面が、少し前にあった。英国と日本の外交・国防トップが連席会談を開き、英国の空母「クイーン・エリザベス」の日本駐屯(原文ママ)と訓練に合意した。フランスの強襲揚陸艦も日本に来る。米日豪印の反中クアッドに英仏も参加しているのだ。中国は「新・アヘン戦争か」と言っている。アヘン戦争は列強の中国侵略だったが、クアッドは中国の覇権侵略に対応しようとするものだ。南シナ海のほとんど全域を自分たちのものだと主張する中国は、韓国の西海はもともと自宅の庭のように考えている。この世界史的な要所において、韓国の左派運動上がりの学生外交は、どうすればいいか分かっていない。独立門の前で反日万歳を叫ぶ、そういうレベルでしかない。
楊相勲(ヤン・サンフン)主筆
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米国防総省政策担当次官に指名された人物が米議会の公聴会で在韓米軍の兵力について「魔法の数ではない」と証言した。中国への圧力戦略など米国の戦略的選択によっては現在2万8500人レベルの在韓米軍はいつでも削減可能という意味だ。
米国防総省政策担当次官に指名されたコリン・カール氏は4日(現地時間)、米議会上院軍事委員会の承認公聴会で、「韓半島の米軍態勢に調整が必要か」との質問に「韓国に対する米国の安全保障の意思は揺るがず、相互防衛条約と一致する」としながらも「(韓国防衛に対する)約束は兵力の『魔法の数』や特定の力量維持に縛られない」との考えを示した。その一方で「バイデン大統領は先日、全世界の米軍配置態勢を検討すると発表したが、私は(在韓米軍配置に関する)結果を勝手に予測しない」とも伝えた。バイデン政権発足後、ドイツ駐留米軍の撤収計画中断が決まったため、在韓米軍にも大きな変化はないとの見方も出ているが、実際は全面的な米軍再配置の検討作業は今も行われており、在韓米軍もその対象になっていることをカール氏が認めた形だ。
トランプ前大統領の時に米国は米軍削減を交渉カードとし、同盟国に防衛費分担金の引き上げを要求した。しかし在韓米軍再配置カードは実際のところトランプ前大統領の意向とは関係なく、米国防総省内部で引き続き検討されてきたという。米中の覇権争いが激しくなる中、米軍を韓国や日本など東北アジアに集中配置するのは戦力運用にプラスにならないことがその理由だ。
実際にカール氏はこの日、中国の脅威に関する質問に「有事の際、中国が米国と同盟国に勝てないようにしなければならない」「インド・太平洋地域における米軍配置態勢はより幅広い地域に分散すべきだ」などの考えを示した。現在米軍は東南アジアなどで新たな米軍基地となる場所を物色しているという。
カール氏はこの日、「在韓米軍は韓国防衛に集中すべきか、あるいは他の地域の問題にも活用されるべきか」との質問に「我が軍が最適化され、全世界で浮上する新たな脅威に対して効果的に対処するためには、作戦の柔軟性を必ず維持しなければならない」と回答した。在韓米軍を東北アジアやそれ以外の国際紛争地域に投入するための準備が必要という意味だ。
訴訟提起はパフォーマンスか?