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- 2021.04.19 Monday
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北朝鮮メディアが昨年7月、「韓国政府も終戦宣言について傍観しているようではいけない」という論評を出すと、韓国のカン・ギョンファ外交長官は数日後、「終戦宣言はわれわれの外交的課題」と肯定的に回答した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「終戦宣言を行って何か問題が生じれば、再び取り消せばいいだけのこと」という常識外の発言まで行い、終戦宣言を米国に提案した。金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が、10月初めに訪朝した米国のマイク・ポンペオ国務長官に「終戦宣言は重要ではない」と終戦宣言から制裁緩和の側に方向を転換すると、今度は文大統領が欧州訪問で会談した首脳たちに「制裁緩和で非核化を促進するのはどうか」と打診して回った。金正恩労働党委員長が今年の年頭の辞で金剛山観光と開城工業団地の全面再開を明らかにして以降は、文大統領とスタッフたちの話題もそちらに移行していった。
北朝鮮が発言するたびに願い事を聞き入れようとする韓国政府に苦しめられてきた米国は、その疲労感をメディアを通じて吐露している。「文在寅大統領は金正恩委員長のチーフスポークスマン」としたブルームバーグ通信の報道(昨年9月)が、これを物語っている。国際舞台に直接登場できない金正恩委員長の願い事を耳にした文大統領が、代弁役を務めているというわけだ。その半年後、野党院内代表が国会本会議場で同報道に触れると、大統領府と与党は「国家元首を冒涜(ぼうとく)する卑劣な言葉」とひどく立腹したが、国際社会がこうした視線で韓半島(朝鮮半島)情勢を注視しているという内容は、ニュースにさえもならない。
韓国政府が北朝鮮と一体であると認識されることで米国が本音を打ち明けなくなるといった懸念は、今回のハノイでの首脳会談を通じて現実化した。韓米同盟の協力体制が正しく作動していれば、米国がバッドディール(悪い合意)の代わりにノーディール(合意なし)を選択する可能性もあるという立場を、当然事前に韓国にほのめかしたはずだ。そうなっていれば、南北経済協力の再開を裏付けるために通商専門家を対米関係担当の安保室次長に任命する人事を、それも米朝首脳会談の当日朝に大統領府が発表したり、会談が決裂する30分前に大統領府のスポークスマンが「今回の会談をきっかけにしばらくの間くすぶり続けていた南北対話は本格化する」とブリーフィングしたりするとんでもない事態は発生しなかったはずだ。大統領府スポークスマンは会談の前日、「ビッグディール、スモールディールといった用語を米朝交渉の当事者たちは使わない」と韓国メディアを叱責(しっせき)したが、会談に同席したボルトン国家安保補佐官は「トランプ大統領が自ら『ビッグディール』と呼ぶ完全な非核化に向けた提案書を金正恩委員長に伝えた」と明らかにした。
韓米間のかみ合わない関係は、会談後さらに増幅されている雰囲気だ。文大統領は会談の翌日「金剛山観光と開城工団を再開する問題について米国と協議する」と言ったものの、米国務省の高位関係者は「関連する制裁を緩和する用意はあるのか」という質問に対し、ためらうことなく「ノー」と即答している。相手が拒否したがっているのを無視してしつこく付きまとうストーカーには、感情を表さず短く冷静に「ノー」とだけ答えるよう専門家たちは忠告する。礼儀をわきまえて一言二言と交わすようになれば、ストーカーは未練がましくまとわり付いてくるというのだ。米国務省の関係者も「現時点では検討対象ではない」「韓米間で緊密に協議していく」などのように交渉の余地を残したとすれば、韓国政府の執拗(しつよう)な要求が寄せられるようになる、と考えたはずだ。そこで、短く拒否する形で「可能性は全くない。百回、千回、聞かれても答えは変わらないため、同じ言葉を繰り返さないでほしい」といった意向を伝達したわけだ。
文大統領の金剛山観光、開城工団の再開提案について、米国専門家は「音痴(tone deaf)としか言いようのない発言」と厳しい口調で言及している。音痴とは、他の人の奏でる音階を聞き分ける能力が足りないため、和音になっていない人のことをいう。ハノイ会談が決裂して以降、ワシントンでは「金正恩委員長の弱点は制裁」であることが確認された。北朝鮮に核兵器を諦めさせるためには、制裁の手を強めなければならない」というコンセンサスが成立したわけだが、文大統領の理解が鈍いため、ショック療法を使用したのだ。
文大統領が「朝鮮半島の平和に向けたプロセス」の進み具合を速めたい思いは理解できる。所得主導型の成長、脱原発、4大河川(漢江、洛東江、錦江、栄山江)のせきの撤去といったその他の政策が全て出遅れている中、対北政策という成果一つで来年の総選挙を闘っていかなければならないため、気が気でないのだろう。しかし、このままではいけないといった焦りから、相手が到底受け入れることのできない提案をしきりに突き付けることは、逆効果なだけだ。大韓民国の大統領の要請が相手国の実務者に「ストーカーまがいの行為」として認識されているとすれば、国の威信や国益、そして5100万人に上る国民のプライドにも傷が付くという点を、ぜひとも忘れないでいただきたい。
「ひそかに自由を渇望する現在はたとえ孤独でも、勇気を持って一人ひとり会っていく」−−。3月1日に「自由朝鮮臨時政府」の樹立を宣言した北朝鮮の反体制団体がウェブサイトに掲載した文章だ。その直前、この組織はクアラルンプールにある北朝鮮大使館の壁に「自由朝鮮が立ち上がる。金正恩(キム・ジョンウン)打倒」と書いた。こうした北朝鮮をめぐるレジスタンスの真実は不明だ。しかし、金正男(キム・ジョンナム)の息子、キム・ハンソルを緊急に保護する程度の実績は上げている。
一方、北朝鮮の女性が中国に売られ、売春で稼いでいる収入が年間1億ドル(約111億円)に達するとの主張もある。3月8日の自由アジア放送(RFA)によると、英国の北朝鮮人権団体「コリア未来戦略」は、国際女性デー(3月8日)に合わせて発表した「北朝鮮女性の性奴隷報告書」でそうした事実を指摘した。(月刊朝鮮ニュースルーム報道)
この2つのニュースは何を物語るのか。韓半島(朝鮮半島)の現代史の論点は自由と奴隷化、文明と野蛮、自由民主主義と人民民主主義の対立であることを示している。こうした歴史観は「1948年の大韓民国」を樹立した勢力とその継承者の観点だ。しかし、それとは正反対の歴史観もある。北朝鮮が民族的で、大韓民国は「反共=親日」が生んだ反民族的存在だとする観点だ。「1948年の大韓民国」に反対していた極左・中道による主張だった。
半世紀後には意外な結果を生んだ。「反民族」とされた国は目覚ましい文明開化を成し遂げ、自称「民族的」だという集団は「北朝鮮女性の性奴隷」の加害者、ポン引きに帰着したのだ。それでも今日の大韓民国は自称「民族的」だという歴史観に振り回されている。この逆説的な過程をどう説明すべきだろうか。
結論は単純だ。ナチスドイツでプロパガンダの天才と言われたゲッペルスが用いた「大きなうそ」が真実を覆い隠したからだ。うそも宣伝、扇動、催眠、洗脳、集団的狂気、集団心理、興奮、幻覚などを通じ、執拗(しつよう)に押し通せば、大衆がそれにうまく惑わされてしまうのだ。現在の社会運動勢力の現象を「左派ファシズム」と呼ぶのもそのためだ。うそを扇動する手法がファシズムに似ているからだ。
左派ファシズムは韓国的な風土に適しているようだ。韓国的な風土とは「覚醒している個人」の層が薄い社会だ。集落、家系、縁故が個人の自立を認めてこなかった。現代になっても韓国人は個人、自由、法治よりも宗族、地域、集団の情緒に縛られてきた。近代の産業社会よりもその自給自足的共同体の方が「より価値があるか」のように言われた。韓半島(朝鮮半島)の左翼はあらゆる「昔のもの」に執着してきた。それでも彼らは「進歩」を名乗る。
問題は彼らのファシズム的扇動政治が左派権威主義を超え、全体主義の傾向すら示していることだ。維新体制(独裁体制)や新軍部の権威主義に抵抗した彼らだ。彼らは権力をつかむや否や、過去も顔負けの権威主義、全体主義、恐怖政治に向かっている。三権分立ではない三権統合、暴民政治、積弊追及はいずれもそうだ。
金慶洙(キム・ギョンス)慶尚南道知事に有罪を言い渡し、収監させたとして判事を起訴することからして、「民主化−進歩」とは相容れない権威主義そのものだ。自由韓国党のナ・ギョンウォン院内代表による国会演説を「国家元首冒とく罪」として追及したこともそうだ。独裁に抵抗すると言っておいて、独裁をつくり出した悪法を復活させて使おうとすることが「民主化−進歩」なのか。
現在の韓半島は結局、2つの歴史観の決戦場になっている。北朝鮮の白頭山の血統による邪教集団と韓国の社会運動勢力が合流し、韓半島をその方向に引き込むのか、それとも北朝鮮住民の「自由朝鮮の希望」と韓国の自由民主主義陣営の希望が合わさり、韓半島を導くのかという死生決断、金正恩と大韓民国のどちらが先に倒れるかという時間の争いだ。
韓半島の運命の行方は結局は韓半島の自由人による決断に懸かっている。ちょうど米国と国連は北朝鮮に最大限の圧力をかけている。国連の対北朝鮮制裁委員会は昨年9月、南北首脳のカーパレードに使われたベンツの搬入ルートを調べ、金正恩とともに手を振った文在寅(ムン・ジェイン)大統領の写真を意図的に公開した。文在寅大統領に対する厳しい視線だ。そうだ。もう終わりにしなければならない。「金正恩に非核化の意思がある」といううそ、そして、国際社会の対北朝鮮制裁に反して「南北経済協力」をしようとする逆走を止め、金正恩が窒息するまで資金ルートを締め付けるべきだ。それが決勝ゴールだ。
…韓国と対照的
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/04/07/2019040780027.html
日本の安倍内閣が、今年2月にハノイで行われた米朝首脳会談が決裂する可能性をあらかじめ把握していたことが7日までに分かった。また、韓国大統領府(青瓦台)が米朝間の異常なムードを会談前に感知していなかった点について、日本が疑問に思っていたことも確認された。
東京にいる複数の外交筋によると、安倍内閣は米国務省のビーガン特別代表が2月6日から訪朝し、北朝鮮の金赫哲(キム・ヒョクチョル)国務委員会対米特別代表と協議した後から、米朝間に異常な空気が流れていることを把握した。ハノイの首脳会談準備のために訪朝したビーガン特別代表に対し、北朝鮮は自分たちの考える「寧辺の非核化」ばかり主張したため、日本は「首脳会談が決裂する可能性」に関する情報を集め始めたのだ。日本は主に米国にある日本大使館を通じて情報を集めたという。
安倍内閣はさらに、2月22日からハノイで開催されたビーガン氏と金赫哲氏の最後の協議でもただならぬ空気が流れていることを感知した。そのため安倍内閣は会談決裂に備え、決裂した場合のさまざまなシナリオを想定して準備を進めたという。
一方の韓国大統領府は、2月28日にトランプ米大統領が金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との会談で「北朝鮮は米国の望む非核化を実施する準備ができていなかった」として会談を決裂させることを、全く予想していなかった。韓国大統領府は会談決裂の30分前に「南北対話が再び本格化すると予想している」と発表したが、直後にトランプ大統領が一方的に会談場を後にしたとのニュースが流れ、慌てふためいた。東京のある消息筋は「安倍内閣はこのとき、韓国側がなぜこうなることを予測できなかったのか、不思議がっていた」と話した。
これに関連し、日本では▲トランプ政権が2回目の米朝首脳会談の進み具合について日本側により多くの情報を提供していた可能性▲韓国外交部(省に相当)が米朝間の異常な雰囲気をきちんと把握できていなかった可能性▲韓国外交部は米朝首脳会談前に異常の兆候を報告したのに韓国大統領府が黙殺した可能性−がささやかれている。
https://japanese.joins.com/article/068/252068.html