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    平成20年の記事から 北の女スパイ全貌(4)
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       http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110128/crm11012800400020-n1.htm


      【衝撃事件の核心・特別版】

      北の女スパイ全貌(4)

       「結婚情報サービス」で軍人抱き込む


      2008.9.20 11:27
      (1/5ページ)
      腕を組んだ北朝鮮の女スパイ、元正花被告のアルバム写真(ロイター)

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      腕を組んだ北朝鮮の女スパイ、元正花被告のアルバム写真(ロイター)

       「すいません。どうしてもできません−」。香港にいる韓国の情報部員の暗殺に失敗した北朝鮮国家安全保衛部(秘密警察)所属の女工作員、元正花(ウォン・ジョンファ)被告(34)。その彼女のもとには新たな指令が次々と下ってきた。別の情報部員の暗殺、情報機関の所在地確認、脱北者情報の把握、そして色仕掛けでの軍人の抱き込み…。韓国検察当局の起訴状は、ウォン被告が指令に従い、韓国でアクティブ・メジャーズ(積極工作)を大胆に実行していく姿を描き出している。

       

      暗殺失敗し叱責(しっせき)受ける…「今回は失敗するな」

       脱北者を装い韓国に定住するようになったウォン被告はたびたび中国に行き、北朝鮮の国家安全保衛部からの指示を受けていた。

       ウォン被告は2004年5月、中国・延吉にいる弟から、母が北朝鮮から延吉に来るということを聞いた。そのことを当時付き合っていた韓国の情報機関、国家情報院の情報部員に話すと、「北朝鮮の旅券の写真を撮影してほしい」と頼まれた。

       二重スパイ…。

       ウォン被告は5月19日、仁川国際空港から中国国際航空便を利用して、中国・延吉空港に到着。母と会い、言われた通り、北朝鮮旅券を写真撮影して、数日後に韓国に戻り、情報部員に手渡した。

       情報部員の要求はエスカレートしていく。

       「北朝鮮に関連した情報を入手してくれ」

       7月4日ごろ、ソウル市内のコーヒーショップで情報部員から、そう言われたウォン被告はこのことを中国にいる保衛部の幹部要員に報告した。

       「至急、こちらへ来い」

       指令を受けたウォン被告は8月、中国・瀋陽の北朝鮮領事館1階事務室で、保衛部の幹部要員と会った。

       ウォン被告はのっけから叱責された。以前、幹部要員から指示された別の情報部員の暗殺失敗をなじられたのだった。

       《ウォン被告は04年1月、香港に滞在中の情報部員を殺害する指令を受け、3日間ホテルで一緒に過ごしたが、「情」がわき、殺害を断念した経緯がある。幹部要員との面会はそれ以来だ》


       ひるんだウォン被告は別の報告で話をそらそうとした。

       「国情院職員の○○と××が、祖国に関連した情報を要求しています。○○は30代半ばで、××は50代半ばです。これが、××が調べてくれと言って私に渡したメモです」

       メモを見た幹部要員は怒りに震えた。

       「これは何だ! この野郎たち、死のうと気が狂ったな」

       領事館を出たウォン被告は、幹部要員と一緒にホテルに行き、毒針(針の長さ3〜4センチ、針発射バネ、発射装置を含む)を受け取った。

       「国情院の情報部員を殺害しろ。今回は失敗するな」

       そう指示されたウォン被告は工作資金として3000ドルを受け取り、韓国に戻った。

       

      韓国情報部員の拉致試みるも失敗

       毒針を所持したまま、情報部員を殺害する方法を模索したが、方法を見つけられず、「作戦」を実行する勇気も出なかった。結局、毒針をゴミ袋に入れて捨てて、殺害の試みを放棄した。

       05年3月、再び幹部要員から中国へ入ってこいといわれ、中国・延吉へ。幹部要員に会う前にウォン被告は、継父(63)=国家保安法違反容疑で一緒に摘発=の家に行った。

       継父は、ウォン被告がかつて香港で暗殺に失敗した国情院の情報部員が、延吉に来ていることを、ウォン被告に伝えた。

       「やつは今、白山ホテルにいる」

       それを聞いたウォン被告は3月19日夕、延吉の柳京ホテルで幹部要員と会い、白山ホテルに情報部員がいることを告げた。ウォン被告はその日のうちに、幹部要員が呼んだ男2人と共謀し、情報部員を拉致するために、白山ホテルに行ったが、情報部員はいなかった。

       それとは別に、韓国で情報部員の殺害に失敗したことも報告すると、幹部要員は激怒し、別の指令を出した。



       「国情院、ハナ院(脱北者が韓国社会に順応するための準備をする施設)、テソン公社の位置を把握して報告しろ。軍の将校を抱き込み、軍事機密を取ってこい。中国に誘い出してこい」

       さらに工作資金8000ドルを受け取り、韓国に戻った。

       

      軍人抱き込むために結婚…情報会社に登録

       ウォン被告は05年7月30日ごろ、「自分の家で韓国軍の将校を抱き込み、軍事機密を探知収集しろ」という幹部要員の指令を遂行するために、自宅のパソコンを使って、結婚情報会社のホームページにアクセスした。

       会員申請書の結婚希望相手の欄には「軍人」と「警察関係者」と打ち込み、会員登録した。加人費は298万ウォン(約30万円)。

       1カ月ほどすると、結婚情報会社のマネジャーから、結婚相手について追加確認の電話がかかってきた。希望相手として、軍人だけ紹介してくれと頼んだ。

       9月23日ごろ、結婚情報会社から、陸軍某師団の人事処の将校として勤務する少佐を紹介された。さっそく、ウォン被告は群浦市金井駅4番出口近くにある喫茶店「オリーブ」で少佐と会った。「脱北者として韓国に来てから4、5年になります。北朝鮮では教導官の生活をし、軍人の生活をよく理解しています。今はチョンソン貿易の代表として中国にいる養父を通じ、北朝鮮の海産物を輸入販売しています」と自己紹介した。

       「あなたは、どこで勤務しているのですか?」

       ウォン被告の質問に少佐は「江原道にある師団で勤務している。来週、別の部隊に異動する予定です。時間をかけて付き合ってみましょう」と答えた。

       

      軍人に色仕掛け…「一杯ごちそうして」

       05年10月初旬、ウォン被告は、異動先の部隊の近所で再び少佐に会った。少佐の乗用車でドライブした後、こうささやいた。

       「部屋はここから遠いの? 近くにあるならお茶でも一杯ごちそうになりたい」


       2人はそのまま陸軍師団のアパートに行き、性的関係を結んだ。

       抱き込み工作の土台はできた。

       ウォン被告は、その他の工作にも積極的に動いた。

       05年12月末ごろ、ハナ院に直接行き、位置を確認し、建物の前にある全景図を見て、メモしながら、絵も描いた。

       《ハナ院の位置は国家機密だが、自分もそこで生活準備を受けた経験があり、所在を捜すのに、そう手間はかからなかった》

       06年1月ごろには、ソウルにあるテソン公社を訪ね、向かいのアパート側の略図、位置などをメモし、最寄りの鉄道の駅からタクシーに乗って、国情院まで行きながら、時間を計った。

       「所要時間は15分」

       それを確認した。

       ウォン被告は05年4月ごろから12月ごろまで、ハナ院で一緒に生活準備を受けた脱北者の同期5人の家にも行きながら、連絡先と住所を記録した。その過程で同期の脱北者の1人が中国に行って、北朝鮮に連れ戻されたということを聞いた。

       一方、少佐の抱き込み工作は“佳境”にさしかかっていた。

       06年1月初旬ごろ、少佐の写真を入手し、幹部要員に報告するため、所属部隊の近くで少佐と会った。

       「私が『軍人さんと付き合っている』と言ったら、娘が『そのおじさんの写真を見たい』といっているの」

       少佐は「軍服姿の写真をあげることはできないから、私服を着た写真をあげる」と言った。

       ウォン被告は、少佐のアパートを訪れ、板門店を背景にした半袖の服の上半身の写真(12・7センチ×8・9センチ)を入手した。

       そして、いよいよ少佐を中国に誘った。

       「娘の留学の準備で中国に行こうと思うのだけど、一緒に行かない?」

       少佐は「軍人なので、外国に思うように出ていくことはできない」と答えた。じれったい思いからかウォン被告は思わず口走ってしまった。

       「あなたを中国で拉致するとでも思っているから行かないの?」


       中国への軍人連れ出しは未遂に終わった。

       

      「完全に抱き込み、機密情報を入手せよ」

       ウォン被告は06年3月21日ごろ、少佐の写真と、ハナ院、国情院、テソン公社の位置などを幹部要員に報告し、次の指令を受けるため中国・瀋陽に行った。

       「偽装脱北者」になってから実に10回目の訪中だ。

       鴨緑江ホテル3階の北朝鮮タンドン貿易代表部に行き、幹部要員にハナ院同期5人の北朝鮮内の住所、年齢、氏名、韓国内の住所を伝えた。さらに、国情院、ハナ院、テソン公社の位置や、略図も詳細に作成し渡した。

       食事をとりながら、幹部要員に、抱き込み対象としている少佐の写真(裏面に階級、氏名、生年月日を記載)を渡しながら、「うちの“夫”です。階級は少佐で、陸軍○○師団に勤務し、部隊は京畿道にあります。官舎は部隊の前で、その部隊は陸軍です。中国に連れ出そうとしましたが、一度失敗しました」と報告した。

       それを聞いた幹部要員は「完全に抱き込み、軍事機密を引き出せ。軍人の知り合いをもっと沢山作り付き合え」と指示した。

       今回の工作資金は1万ドル。薬品(天宮白花、血宮、不老錠など)1万ドル相当も受け取った。これを、韓国で対北貿易を営む業者あてに送り、そこから、ウォン被告の自宅に送ってもらうよう手配し、自らは身軽になって韓国に戻っていったのだった。



      | NNL2 | 韓国と北朝鮮との関係 | 08:05 | comments(0) | trackbacks(5) | - | - |
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