読売新聞 (平成18年3月28日)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060328id21.htm
【カイロ=柳沢亨之】アラブ連盟(22か国・機構加盟)の首脳会議が28日、スーダンの首都ハルツームで開幕した。
同日中にも採択される共同宣言では、中東和平問題をめぐり、パレスチナ自治政府に対する現状レベルでの財政支援継続を確認する見通し。
ハマス政権発足後の援助停止を示唆する米欧と一線を画すことで自治政府の孤立化を避けると同時に、ハマスの求める大幅増額を拒み、和平路線への転換を促すのが狙いだ。
首脳会議直前に開かれた外相会議は、自治政府への援助額を従来通りの月額5500万ドルとすることで合意した。加盟各国の実際の支援額はこの半額前後とされ、5500万ドルが満額支出されれば実質的には増額となる。
一方、ハマスが要求していた1億7000万ドルには遠く及ばない。
アラブの歯切れが悪いのはイスラエルとハマス双方に強い不信感があるからだ。「イスラエルの全占領地撤退が和平の前提」と主張するアラブは今首脳会議で、イスラエルの一方的な国境画定への反対を表明する見通し。
その一方で和平を拒むハマスにも警戒感は強く、大半の政権にとって、ハマスなど原理主義勢力の台頭は脅威となっている。