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- 2021.04.19 Monday
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【釜山・曽田拓、西脇真一】北朝鮮による拉致被害者の田口八重子さん(行方不明時22歳)の長男、飯塚耕一郎さん(32)と、田口さんの兄で拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さん(70)が11日、韓国・釜山市内の国際会議場で、大韓航空機爆破事件(87年)の実行犯、金賢姫元死刑囚(47)と面会した。「大きくなったね」「お母さんは生きていますよ」。金元死刑囚は耕一郎さんらに日本語で語りかけ、涙ぐみながら抱き合った。
田口さんは北朝鮮で金元死刑囚の日本語教育係だったとされ、耕一郎さんは、自分が長男だと初めて公の場で明らかにした04年2月、外務省を通じ面会を求めていた。
金元死刑囚が公式の場に出るのは、97年12月に結婚して公の活動を控えて以来、約12年ぶり。李明博政権発足で韓国側が対北朝鮮の人権問題を重要視する姿勢を打ち出したことと、拉致問題の進展を求める日本側の姿勢が一致して面会が実現した。拉致問題での日韓協力の象徴と位置づけられる。
田口八重子さんは東京都豊島区の飲食店従業員だった78年6月、当時1歳の耕一郎さんら2人の子供を託児所に預けたまま行方不明になった。
その後、大韓機事件で逮捕された金元死刑囚が「李恩恵(リウネ)という日本人女性に日本語などを習った」と証言。警察庁と埼玉県警は91年、この女性を田口さんと断定した。
こうした経緯から、耕一郎さんは「どんな生活をしていたのか知りたい」と、金元死刑囚あてに手紙を書き、面会を要望したが、北朝鮮への融和政策を取る盧武鉉政権時代は実現しなかった。
耕一郎さんは面会直前、毎日新聞の取材に「幼いころに引き離された田口八重子さんの人間像をつかみたい」と話していた。また、繁雄さんは「日本へ招待したいとの意向も伝えたい」と、今後も金元死刑囚と継続的に交流したい意向を示していた。