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【平壌12月31日発朝鮮中央通信】周知のように、李明博逆賊一味は民族の大国喪をきっかけに反共和国対決の腹黒い下心をさらに露呈しながらわれわれの尊厳を甚しく冒とくし、南朝鮮各階層の弔問を悪らつに弾圧する万古の大罪を犯した。
かいらい逆賊一味は、われわれの重大報道が発表されるやいなや、かいらい軍に「非常警戒令」を下達し、青瓦台と行政部、処を非常勤務態勢に突入させる一方、「北指導部と住民分離対応」をうんぬんし、無作法にもわれわれの一枚岩のような一心団結を揺り動かしてみようとあらゆる陰険な術策に執着した。
逆賊一味は、南朝鮮の広範な各階層の弔問を阻み、弔意文を奪い取って刃物を当て、焼香所を設置することさえ野獣じみた方法で弾圧したばかりか、李姫鎬、玄貞恩一行の弔問に同行しようとしていた6.15核心関係者らを強圧的に切り離して、とうとう来られないようにした。
特に、かいらい一味は軍事境界線一帯と西海の5島周辺で戦争騒動にいっそう狂奔することにも満足せず、人間のくずを駆り出して哀悼期間に数回にわたってビラを風船につるして散布し、涙の海を成したわが人民の悲痛な胸をさらに痛くえぐるなど、人間としてはとうてい想像すらできない卑劣な挑発もためらわなかった。
これは、かいらい逆賊一味こそ同族対決に狂ったあげく、理性を完全に失って人間であることをやめた極悪非道な野蛮人と同じであるということを示している。
われわれは、すでにかいらい一味の反人倫的妄動に対してしゅん烈に警告もし、北南関係に及ぼす危険きわまりない結果に対する警鐘も打ち鳴らした。
しかし、かいらい一味はそれに全く耳を傾けず、結局は北南関係を解決するのではなく、完全に破たんさせる道を選択した。
李明博一味の対決的正体と不純な根性がことごとくさらけ出された以上、これから彼らと論ずるべきことも、彼らについて見守るべきこともなくなった。
いわゆる「原則固守」という反統一対決的き弁を掲げて同じ血筋を引いた同族の大国喪さえ不純な目的を達成するための絶好のチャンスと見なし、北侵と謀略の刃物を抜き出して同胞兄弟とあくまでも戦おうと狂奔する天下の無頼漢、祖先伝来の初歩的な礼儀作法も知らない冷血漢がまさに李明博一味である。
最も大きな喪失の痛みで血の涙を流し、身もだえする同族の胸に刃物を差し込み、われわれの尊厳をあえて冒とくした逆賊一味の反人倫的・反民族的罪悪は古今東西に類を見ないもので、彼らがどんなに横暴非道な政治ギャングで醜悪な不倫・背徳の群れであるのかをそのまま示している。
6.15以降、喜びも悲しみも分かち合ってきた同胞愛的きずなを凄惨にめった切りにした逆賊一味の万古の罪悪は17年前、「文民」ファッショ一味が犯した反民族的犯罪をはるかにしのぐもので、わが軍隊と人民、全同胞をして憤怒で歯ぎしりさせている。
これらすべての犯罪的妄動の主謀者、悪の真犯人は他ならぬ李明博逆徒である。
李明博逆徒は、表もちろん心根まで同族に対する極端な敵意と対決狂気に徹している極悪な反統一・反民族・親米ファッショ狂である。
このような者がいる限り、北南関係において何も期待することができず、災難しかもたらさないというのが明白であり、これがわが軍隊と人民が得た最終結論である。
祖国平和統一委員会(祖平統)は、わが軍隊と人民、全同胞の血のにじむ憤怒を代弁してわれわれの最高の尊厳を冒とくした逆賊一味の反人倫的・反民族的罪悪を絶対に許さず、李明博一味が万古の大罪を謝罪しない限り、やむをえず最後のけりをつける道しかないということを断固とせん明する。
天に逆らった者は天罰を免れない。
この世の最も悪い行為ばかりをこととし、同族の大国喪に刃物を当てたかいらい逆賊一味は必ず、歴史と民族のしゅん厳な裁きを受けて破滅に瀕するであろう。
2011年12月31日
平壌
朝鮮中央通信によると、北朝鮮の国防委員会は30日、声明を発表し、金正日総書記の死去をめぐる弔問を制限したなどとして韓国の李明博政権を非難、同政権と「永遠に付き合わない」と宣言した。
さらに、韓国を含む世界は「われわれにいかなる変化も望んではならない」と主張、金総書記死去後も後継指導者、金正恩氏が既存の政治体制・政策を維持することを強調した。
国防委員会は北朝鮮の国家機構を事実上統括する機関で、委員長は金総書記が務めていた。(共同)
http://www.cnn.co.jp/world/30005111.html
(CNN) 北朝鮮の最高指導機関である国防委員会は30日、体制の変化は政策の変更を意味しないとする声明を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去に伴う体制の変化が朝鮮半島情勢の緊張緩和につながるとの見方は否定された格好だ。
国防委は声明で、韓国の傀儡(かいらい)政権や世界中の政治家は北朝鮮からのいかなる変化も期待するべきではないと指摘。韓国の李明博(イ・ミョンバク)政権に対しては「永遠に相手にしない」と述べた。
韓国統一省は遺憾の意を表した。同省は声明で、「北朝鮮の声明は残念だ。しかし、両国間の緊張を緩和し、対話を通じて問題を解決するという基本原理は変わらない」と述べた。
北朝鮮は、金総書記の死後、韓国が政府としては弔問団を送らないとした対応などを批判していた。
北朝鮮の金正日総書記が2007年10月3日に平壌で行われた第2回南北首脳会談で、韓国の盧武鉉大統領(当時)が韓国人拉致被害者問題への前向きな対応を求めたのに対し「謝罪までしたのに逆に日本は打って出てきた」と述べ、拒否していたことが分かった。日本人被害者5人を帰還させた後に日本で北朝鮮を非難する声が強まり、国交正常化交渉が行き詰まったことを指したとみられる。
韓国政府関係者らが30日までに明らかにした。同首脳会談での拉致に関する金総書記の発言が明らかになったのは初めて。日本への被害者送還を失敗と判断し、韓国の拉致問題では譲歩しない意思を固めていたことを示している。
金総書記は「(自分の)周囲には強硬派と言われる者もいる」とも述べ、日本人拉致被害者の送還で、軍部から批判を受けたことを示唆した。(共同)
板門店で南北会談がよく開かれていたころの話だ。双方から外国人記者を含め多くの記者が取材に出かけ、情報交換をはじめお互い会話がはずんだ。ある時、こんなことがあった。
顔見知りの北の記者に対し冗談のつもりで「北での最高指導者に対する崇拝と忠誠はすごい。世界が驚いている。世界史にもまれな実に貴重な体制だ。だからあ の体制を崩壊させるのは惜しい。ソウルの記者の間では“保存委員会”を作りたいものだという話もあるよ」とささやいた。
その際は黙って聞いていたくだんの記者が次に会った時、「あの保存委員会はどうなりましたか、代表者は誰です?」というではないか。冗談が通じないのだ。北では金父子への冗談や皮肉などありえないのだ。逆にこちらが不明を恥じた(?)。
しかし金正日死亡の平壌の様子を見ていて、あらためて「あの体制はまさに“ユネスコ世界文化遺産”モノだ…」と思った。
集団号泣や失神シーンなど、感情移入の強烈さは同じ民族だから韓国でも目撃するが、国家的規模での崇拝行事、外に食糧を乞いながらのものすごい軍事国家ぶ り、社会主義を看板にした王朝的な権力世襲、20代の最高指導者…。ただ、現代世界のどこにもないあの国家的風景はいつ“過去”の遺産になるのだろう。 (黒田勝弘)
【平壌12月30日発朝鮮中央通信】わが軍隊と人民は去る12月17日、あまりにも突然、あまりにも哀惜に、あまりにも早く全国の大家庭の父を失った。
喪失の痛みがあまりにも大きく、重くて流す血の涙は海を成し、血のにじむ泣き声は山河の草木も泣かせている。
われわれの
これから、朝鮮民族は言うまでもなく、全世界がどんなに偉大で、傑出した偉人を失ったのかを日増しにいっそう痛感することになるだろう。
われわれは今回の大国喪の期間、われわれの悲しみを分かち合い、深甚なる哀悼の意を表し、心からなる慰めと鼓舞、激励を送ってくれた世界各国の国家元首と党指導者、政府、団体の各界人士と国内外の同胞をありがたく思っており、永遠に忘れないだろう。
全民族がなめている今回の大国喪に唯一、南朝鮮かいらいだけは千秋万代にかけてもぬぐえない大逆罪を犯した。
朝鮮民主主義人民共和国国防委員会は先ず、今回に南朝鮮かいらいが働いた悪行の真相から世界と民族の前に明らかにする。
外部勢力によって、たとえ国は北と南に分かれているが、われわれは一つの民族である。
わが軍隊と人民は分裂の痛みを抱えていながらも、いつも思想と制度の上に民族があるという哲理を信条とし、一つになった民族をまたとなく重んじている。
しかし、南朝鮮のかいらいは今回も、一つの民族として生きることを自ら放棄することにし、同族の痛い胸にくぎを打ち込み、痛い傷に刃物を当てる乱暴を働いた。
われわれの重大報道が発表されるやいなや、緊急「国家安全保障会議」と「国務会議」を招集し、海外代表部まで非常勤務態勢に移転させて、まるで願っていた「緊急事態」が到来したかのように、われわれの「体制変化」を誘導する「好機」でも生じたかのように騒ぎ立てた。
かいらいの陸・海・空軍部隊には警戒非常と戦闘非常を下達し、地上、海上、空中で戦争前夜の衝突雰囲気をつくる一方、30余りの右翼保守反動団体を前線に駆り出して数回にわたってあえてわれわれの最高の尊厳を謗り、騒擾(じょう)を扇動する内容の反共和国ビラまで散布する狂気を振るった。
まさに、このような悪行の先頭に万古逆賊の李明博逆徒が立っていた。
逆賊一味のこのような悪行は、追慕雰囲気に付け入って愚かな目的を実行し、そうならない場合にはいわゆる「急変事態」と「体制変化」を誘導してみようとする意地悪な下心の発露だった。
昔から隣の不祥事に拳骨をふるい、横腹を刺して利益をむさぼる行為は人間のなすべきことではないと言われている。
国交もなく言語や皮膚の色が異なる他の国も、わが軍隊と人民の悲しみを察して計画した軍事訓練や演習を中断し、弔意を表して追慕期間まで設定した礼儀に鑑みると、逆賊一味の狂気は人倫道徳を無残に踏みにじるならず者の行為だと言わざるを得ない。
民族の大国喪時に働いた李明博逆賊一味の悪行は、南朝鮮の同胞の弔意表示と弔問団の北行の道を必死になって阻んだところで極致を成した。
青天の霹靂(へきれき)のような悲報に接した南朝鮮の各階層の人士と同胞の弔意表示と弔問団派遣の要求は、進歩と保守、与党と野党にかかわらずその熱気が涙ぐましく高まった。
しかし、李明博逆賊一味は当然な措置を講じる代わりに、すべてのことに顔をそむけて民心を反映した弔意は「北の政権と分離された住民に対する慰め」と格下げさせ、弔問団派遣の要求は「南朝鮮社会の混線」を口実にして遮断し、一方ではわが首脳部と人民大衆を離間させようと愚かに策動し、他方では「選別訪問」と「限られた答礼弔問団派遣措置」で民族の父の懐に来たがる各階層の北行の道を全面遮断する大逆罪を犯した。
悲しみは分かち合えば小さくなり、喜びは分かち合えば大きくなる。
弔意と弔問がわが民族固有の良風美俗、祖先伝来の倫理伝統になってきたのも、まさにこのためだ。
それで、われわれは逆賊一味の悪行を人間の初歩的な理性と道徳もない反民族的な大逆罪とらく印を押すのだ。
はては、逆賊一味は不作法にも「天安」号沈没事件と延坪島砲撃戦に対する「最終の責任」をわれわれの最高の尊厳と結び付けて、今回の機会に「当局の5.24措置」を撤回し、北南関係を改善しようとするなら自分らが動ける名分をわれわれが立てなければならないという生意気なことまで言いふらした。
われわれと無関係な「天安」号沈没事件と先の挑発に対応したわが軍隊の自衛的な延坪島砲撃戦に言いがかりをつけて、あえてわれわれの最高の尊厳を侵害したのは、いかなる場合にも許せない特大型犯罪だ。
これに、ありもしないわれわれの「急変事態」をうんぬんし、尊厳高いわれわれの制度と体制の「不安定さ」について言い散らして、いわゆる「変化」を誘導してみようと謀議した罪過まで計算すれば、逆賊一味の悪行は生きていられない犯罪だ。
朝鮮民主主義人民共和国国防委員会は、民族の大国喪時に犯した逆賊一味の万古大罪に関連してわが党と国家、軍隊と人民の共同の委任によって、次のような原則的な立場をせん明する。
すでに宣布した通り、李明博逆賊一味とは永遠に相手しないだろう。
政治的に無知、道徳的に低劣で、人間の初歩的な体裁も備えていない李明博逆賊一味を相手するのは、清潔で善良なわが民族の羞恥だ。
民族の大国喪時に犯した逆賊一味の万古大罪は、最後まで追跡して計算するだろう。
わが軍隊と人民が流す血の涙の海は、それがそのまま逆賊一味を最後まで追跡して種までも燃やしてしまう復しゅうの火の海となり、泣き声はかいらいの牙城を破壊する復しゅうの砲声になるだろう。
あわせて、民心の公正な代弁者であり、真の世論の先覚者になるべき使命感を忘却し、虚偽とねつ造、臆測と推測で逆賊一味の反民族的・反人倫的行為をひ護し、それに同調している南朝鮮の保守言論も応分の懲罰を受けることになるだろう。
南朝鮮のかいらいと世界の反動層はこれ以上、あったこともなく、またありえないわれわれの「急変事態」と「体制の不安定さ」を誘導してみようと愚かに振る舞ってはいけない。
今回の大国喪の期間に、世界に見せた全軍的で全民的な追慕の様子がまさに、革命の首脳部の周りに一心に結集したわが党と軍隊と人民の大団結の姿であり、何をもってしても崩すことのできない朝鮮式社会主義制度と体制の不抜さだ。
わが軍隊と人民は、変わることなく
われわれはこの機会に、南朝鮮のかいらいを含む世界の愚かな政治家らにわれわれからいかなる変化も期待してはならないということを自信をもって厳かに宣布する。
わが軍隊と人民は今後も、北南関係の改善と平和・繁栄の道に向かって力強く進むだろう。
われわれが願う北南関係の改善は、李明博逆賊一味がけん伝している「強硬」と「柔軟さ」、それを混ぜた狡猾(こうかつ)な術数に基づく改善ではない。
われわれが成し遂げようとする北南関係の改善と統一、平和・繁栄の大業は、自主、平和、統一の旗じるしに従って歴史的な6.15共同宣言と10.4宣言を実現するための民族挙げての闘争を通じた大業である。
世界は、偉大な指導者
2011年12月30日
平 壌
「各国もマスコミも日本政府も、北朝鮮の安定を求めているのか! 安定とは北の独裁政権の温存じゃないか! 地獄の安定だ!」−金正日総書記の葬儀が行われた28日、東京都内で開かれた拉致被害者家族会をはじめとする6団体の集会では、日本政府や北朝鮮への批判が噴出した。独裁者の急死で揺れる北朝鮮に、いまこそ戦略的な外交が必要との声だ。ゲスト参加した韓国の脱北軍人、金聖ミン氏は講演で「いまこそ金正恩の失敗を誘導、誘発するチャンスだ」と述べた。
(久保田るり子)
怒りの熱気…拉致被害者家族の心情
拉致被害者の家族会や北朝鮮の政治犯収容所に対する解放運動を続けているNGOなどの代表らが一堂に会した集会には、ふつふつとした怒りの熱気が満ちていた。
「交渉相手がいなくなった。想像はしていた。だが、日本政府はこのチャンスにどう動くのか全く受け身で何もみえない」
家族会代表の飯塚繁雄代表(田口八重子さんの兄)がひと呼吸をとって冷静な口調で話すと、詰めかけた400人の会場から「そうだ!」と大きな声援が飛んだ。
増元照明事務局長(増元るみ子さん弟)は「(金総書記の死で)被害者はどうなるんだと不安でたまらない。不安のなかで正月を迎える。われわれと日本政府のギャップはあまりに大きい。野田首相はどう対するのか、発信していただきたい!」と声を振り絞った。
皆、日本政府や「金正日の拉致」を過去扱いされる恐れがあることに明らかにいらだっていた。そんななかで、金聖ミン氏が講演した。
「金日成は82歳まで生きた。喜び組をはじめ、やりたいことはすべてやり尽くした金正日だが、なんでこんなに早く死んだのか、私はみなさんと話したい」
「彼が一番いやなこと、政府がやらないこと。それは皆さんの活動なのだ。そんなストレスが彼を早く死に追いやった。私もきのう、ソウルで(北朝鮮の実態を住民に告発する)ビラを30万枚、まいてきました」
金氏は、日韓の金正日糾弾の連帯を強調し、日本人拉致問題や人権問題への日本の活動に熱いエールを送り拍手を浴びた。
「忠誠競争に血道の権力闘争が始まっている」
金氏は朝鮮人民軍出身の脱北者で、2004年から北朝鮮の住民に向け北朝鮮の実態や韓国の自由民主主義を伝える「自由北韓放送」を流している。北朝鮮の内部情報に詳しく、「自由北韓放送」のサイトは北朝鮮の生情報をいち早く伝えることで日韓のウオッチャーに注目されている。
講演で金氏は、今月22日の夜、北朝鮮の情報源から「30、31日に金正恩推戴(すいたい)を全国で行うよう党中央から各地方の党組織、軍部に指示書が回った」「すでに推戴準備が始まっている」という動きをキャッチしたことをまず報告した。そのうえでこう述べた。
「北の知人は(金正日死去を)知らなかった。さらに驚いたのは『死んだから何なんですか』と言うんです。北の住民たちはもはや金正日に全く関心がない。ところが党や軍人は違う。金正恩への忠誠競争が起きている」とすでに権力闘争が始まっていることを指摘した。
放置すれば金正日時代より酷(ひど)い時代がくる…
日本の北朝鮮専門家の多くは金正恩新体制について「短期的には金総書記の遺訓統治でレールに乗っている。だが中長期では指導力不足の露呈で不安定化する」との見方だ。だが、金聖ミン氏は全く異なる見解を示した。
「いま、この機会を逃せば3代世襲はシステムとして固まってしまう。金正日体制でわれわれは40年間酷い目にあってきたが、金正恩が本当に権力を固めれば、もっと酷い時代を迎えるかもしれない。無知で乱暴な20代の権力者に、党や軍の幹部が腰を90度に曲げて頭を垂れている。なぜか。それは現在の幹部らが、金正日時代に世襲を反対した勢力がどうやって殺されていったかを知っているからなのだ」と述べた。
そのうえで、金正恩独裁体制が構築される目安として1年間と指摘。もし1年たっても権力中枢に動揺が起きなかった場合は「5年から10年は不動になるだろう」と分析した。
金総書記の死去で始まった北朝鮮の世襲移行期は、4月に予定される金日成生誕100周年までの数カ月がひとつのめどとなる。金正恩氏が、父親の犯した核、拉致、ミサイルという3悪を認め、謝罪し、問題を解決する意志を示せば、「テロ指定国家」であった北朝鮮への世界の眼は一変するだろう。しかし、それができないのであれば、関係国は計略を図る機会でもある。金氏はこう述べた。
「忠誠競争を利用すべきだ。若く焦りを覚えている金正恩に能力のなさを露呈させ、失敗を誘発させることで独裁政権を崩壊させる最後のチャンスだ」
日本政府は一体、どんな政策を立案しているのか?
どうなる朝鮮学校無償化 反対論根強く「順当にいって年度内」
朝鮮学校への高校無償化適用問題が暗礁に乗り上げている。菅直人前首相の指示で再開した文部科学省の審査は年内には結論が出る見通しだったが「順当にいっても年度内」(文科省幹部)との見方も出てきた。金正日総書記死去で北朝鮮の情勢が不透明なことも審査の環境を複雑にしている。
既定路線一転
「鋭意、できる限りの調査をやっているが、もう少し時間がかかりそうだ」
中川正春文科相は24日の会見でこう述べた。
文科省は9月以降、就学支援金の支給を申請した朝鮮学校10校について、昨年11月に公表した適用基準に適合するかを審査している。適用基準は、教育課程などが日本の高校課程に準ずるかを柱とする内容で、教育内容は問われず、従来の反日教育が行われたままでも適用が可能だ。このため、「菅前首相が審査再開を指示した時点で、無償化適用は既定路線」(文科省幹部)とされ、年内に適用に踏み切るとの見方が強まっていた。
根強い反対論
文科省関係者によると、12月上旬ごろには、専門家会議が一定の報告をまとめ、文科省幹部に伝えたとされる。だが、経理面など多くの点で再調査が命じられたという。
朝鮮学校をめぐっては、自治体からの補助金が在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に流用された疑いや財産状況の不透明性が指摘されてきた。
ある文科省幹部は「財産状況も詳しく調べている。文科省だけでなく警察庁などの協力も得ながら調査しており、時間がかかっている」と打ち明ける。民主党内にも拉致被害者や家族の感情に配慮すべきだとして反対論が根強いことも「厳正審査」の一因となっている。
駆け引き材料
北朝鮮の金正日総書記死去も審査に影響を与えそうだ。中川文科相は「特に状況が変わったということはない」と話したものの、政府関係者は「無償化は外交戦略上、駆け引き材料になりうるもので、北朝鮮の国内情勢が不透明な状況下で早期に結論を出すのは得策ではない」と指摘する。
東京基督教大の西岡力教授は、昨年11月に菅前首相が北朝鮮による韓国砲撃を受けて審査手続きを停止したことに触れ、「早々に無償化を認めることは、北朝鮮に拉致問題より韓国砲撃の方が重いという誤ったメッセージを送ることになる」と指摘している。
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部が29日に東京朝鮮文化会館(東京都北区)や各地方で行う金正日総書記の追悼式に、全国の朝鮮学校の児童生徒を参加させるよう動員指令を出していたことが、内部文書で分かった。北朝鮮本国や朝鮮総連の政治的思惑に、学校が組み込まれている実態が改めて浮き彫りとなった。
文書によると、初級学校(小学校)の児童は保護者同伴で、中級学校(中学校)以上の生徒は教師が引率。関東近県は東京の追悼式へ、その他は地方の式に参加させる。
朝鮮大学校などには、弔問する学生数を連日、総連中央に報告するよう義務づけていた。
また総連中央が20日付で出した文書では、金総書記の業績を礼賛する弔電を全ての関係者が「最大規模で送るよう」指示。内容や様式の他、追悼式で飾る肖像画や弔花にまで詳細な指示があった。
公安関係者によると、動員は総連傘下の約20団体と約20企業、全国支部にもあり、学校には実質的運営主体「在日本朝鮮人教育会」と教職員組織「在日本朝鮮人教職員同盟」が働きかけているという。
大阪府内で開催される追悼行事では、朝鮮学校施設が使われることも判明。「学校の政治利用」との批判も起きており、大阪府が国民感情を踏まえ適切な対応を取るよう学校に求めた。
雪の中を歩く28歳の「最高指導者」は、孤立した国家の命運を担う責任の重みを、その肩に感じていただろうか。
急死した北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記の葬儀と追悼大会が、平壌で行われた。
葬儀では、金総書記の後継者で三男の正恩(ジョンウン)氏が、総書記の遺体を乗せた特別車両に寄り添い、党や軍の幹部を従えて、広場の兵士たちの前を歩いた。
また追悼大会では、序列ナンバー2に当たる金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長が追悼の辞を述べ、正恩氏を「党、軍、人民の最高指導者だ」と宣言した。
閉鎖的な国家を観察する場合、国家的行事に現れる実力者たちの序列や発言などに基づいて、権力の所在やその意図を読み取る手法が有効だ。
正恩氏の肉声は報じられなかったが、葬儀の行進で正恩氏が最前列で先導したことや、追悼の辞などから判断すれば、北朝鮮の中枢部において、正恩氏をトップとする後継体制の確立が、いまのところ波乱なく進んでいるとみられる。
行進では、正恩氏のすぐ後ろに張成沢(チャンソンテク)国防委員会副委員長が、左に李英鎬(リヨンホ)朝鮮人民軍総参謀長が立った。いずれも党、軍で正恩氏の「後見人」と目される人物で、若いトップを補佐する一種の集団指導体制ができつつあるようだ。
さらに、新指導部が採る路線に関しても、明確な方向性が示された。
追悼大会の金常任委員長の演説は「(金総書記は)わが祖国を世界的な軍事強国、堂々たる核保有国へと変貌させた」と業績をたたえた。そのうえで、これからも「(金総書記が示した)先軍の道に沿って力強く歩む」と強調した。
新体制も、軍事を全てに優先する「先軍政治」を継承するという意思表示といえる。周辺国が危険視する核・ミサイル開発もやめる意思は見せていない。
これは日本など国際社会にとっても、北朝鮮の一般国民にとっても、残念なことである。
北朝鮮の現在の窮状は、金総書記時代、貴重な国内資源や国家予算を核開発につぎ込み、それによって国際社会からの経済制裁を招いたことに起因する。
軍事優先を改め、民衆の生活向上に力点を置いた経済の改革、開放路線を採らない限り、北朝鮮の国民は食料難から解放されない。国民が飢えていては、国家の真の安定も得られない。
しかし、新指導部は実績不足の正恩氏への権力世襲を正当化するため、父親である金総書記の路線を「遺訓」として奉じ、当面はその枠内で国家を運営しようと考えているようだ。
北朝鮮のメディアは、正恩氏が平壌市内の住民に食品を配布したことを、新指導者の温情として伝えているが、地方の住民の窮乏を思えばそれもむなしい。
若い指導者には、「遺訓」の呪縛から逃れ、大胆な路線転換で民生重視の国家を目指すよう期待したい。それこそが国民への本当の温情であるはずだ。
=2011/12/30付 西日本新聞朝刊=
金正日(キム・ジョンイル)総書記の告別式が行われた28日に発行された北朝鮮の『労働新聞』は、金総書記が残した最大の業績として核兵器を挙げた。各武装が「大国の間で、鬱憤(うっぷん)が多かった弱小民族が堂々胸を張って暮らせるようにしてくれた」と強調した。
金総書記は長く見積もって、父親の金日成(キム・イルソン)主席の後継者に決まった1974年から37年間、短く見積もって金日成主席が死去した1994年7月から17年間、北朝鮮を統治した。この間、1人で国を支配してきた彼が人民に与えたものは、事実上核兵器1つだったという真実が、金王朝の歴史研究家の目にもしっかり見えたようだ。
金総書記が金日成主席と共に北朝鮮を統治し始めた74年、韓国と北朝鮮の経済水準は同レベルだった。しかし昨年、南北の1人当たりの所得は19倍もの差が開いていた。金正日総書記が単独統治を開始した1995年に80万ウォン(現在のレートで約5万4000円)だった北朝鮮の1人当たりの所得は、昨年は124万ウォン(約8万3000円)と推定されている。北朝鮮の経済は15年間足踏み状態ということになる。金日成主席が死去し、金正日総書記が唯一の統治者となった94年から4年間、北朝鮮の農民数百万人が餓死し、数十万人が「食べるため」に故郷を捨てなければならなかった。今も多くの脱北者たちが中国や東南アジアをさまよっている。1945年の分断当時、北朝鮮は韓半島(朝鮮半島)の中心産業施設のうち80%を引き継いだ。しかし、金日成・金正日父子の統治66年は、北朝鮮を数百万人の国民が餓死する、世界で最も貧しい国へと転落させた。
金正日総書記の時代に、中国は78年、ベトナムは86年から改革開放に乗り出し、ソ連と東欧は、政治的民主化と市場経済体制へと踏み出した。金正日総書記の統治はこのような世界の大勢と逆行していた。憲法からマルクス・レーニン主義や共産主義という表現さえ削除し、社会主義という文句まで捨て去り、主体思想を唯一の思想として金日成を朝鮮の始祖に祭り上げた。
金総書記は2000年代に入ると、故・金大中(キム・デジュン)元大統領と、故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領と首脳会議を行い、開城工業団地の開発事業や金鋼山観光を許可した。これらの事業で手にした収入を、核兵器開発や体制維持に必要な忠僕たちをはじめとする北朝鮮の特殊階級の忠誠心を買うためにばらまいた。中国の改革開放の現場を見学し、「天地がひっくり返るほど感心した」と述べたのもつかの間、体制が動揺すると配給が途切れた住民たちが生計をまかなう最後の命綱だった市場までも閉鎖してしまった。彼の晩年は、金になるものであれば、地下資源採掘権だろうが、港口租借権だろうが、お構いなしに中国に引き渡してしまった。
金日成、金正日、金正恩(キム・ジョンウン)3代の時代は、2400万人の北朝鮮住民にとって飢えと暴圧に苦しめられた時代であり、5000万の韓国国民にとっては餓死していく同胞の姿を国境越しに見守るしかなかった痛恨の歳月だった。
北の官制メディアも金総書記が北朝鮮住民に引き継いだ最高の遺産として核兵器開発しか取り上げることができなかった。ところが、韓国の現代史を自由民主主義ではない民主主義の視点から教えるべきだと主張する歴史研究者の多くが、北朝鮮の官制メディアよりも金総書記の真実を正しく把握できずにいる。金総書記に対する後世の歴史評価よりも、今もっと切実な課題は、韓国の現代の歴史研究者による歴史に対する正しい眼識だ。